OWNED WORK

もし壁

EVENT PRODUCT

“相互壁ドン”することでお互いへの気持ちの高まりが計測できるBOX型体験装置「もし、二人が壁ドンしたなら・・・二人の壁はなくなるのかもしれない。」略して『もし壁』を制作。筐体内で行われる“相互壁ドン”によって、どれだけドキドキしたかを手のひらの脈拍・発汗・温度のセンシングによって測定し、お互いのドキドキが一定値を超えることで、事前入力したメッセージが交換できるという仕組みの体験デバイス。電話ボックスサイズの筐体内部は完全な密室になっており、二人の距離はわずか十数cm!二人のドキドキを演出する「暗い」×「狭い」×「近い」という条件で設計された筐体内で、カップルや友達同士はもちろん、初対面の二人でも思わず“ドキッ”としてしまうことは間違いなし!

▽詳細はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000025690.html

HOW IT WORKS

  • 相手へのメッセージを入力し、部屋に入る。

  • お互いの背面にあるハンドセンサーに手を置く形で相互に壁ドン。ドキドキを手のひらからセンシング。

  • お互いに気持ちが高まっていたら、相手からのメッセージを受け取ることができる。

STAFF

  • プロデューサー 吉田 苑佳
  • プランナー / ディレクター 阿部 達也
  • アートディレクター 横澤 由香里
  • デザイナー 佐奈木 敦
  • インタラクションデザイナー 鵜飼 陽平
  • デベロッパー 松村 有博, 鈴木 亜希子
  • イマジニアリングディレクター 岩崎 弾
  • プロジェクトマネージャー 小山内 拓人

OVERVIEW

説明いらずの「壁ドン」というインパクトを活かした企画力

 「もし壁」は、異性や同性を問わず2人1組が専用ボックスへと入室後、お互いに「壁ドン」をしあうことで相性診断ができるという、センシング技術と企画性を駆使したプロダクト。2014年に新語・流行語大賞トップテンにも選出された「壁ドン」、つまり壁際にいる相手越しに手で壁をドンと叩く、あの行為を企画のベースに据えてプロダクトの世界観形成につなげている。

 2018年12月には「Yahoo! JAPAN Hack Day 2018」に出展。その際、友人同士の相性診断や夫婦での参加も見られるなど、必ずしも惹かれ合う恋人同士(異性、同性問わず)に限らない利用の幅も証明した。パッと見の大きさや「壁ドン」というキャッチーさから、完結した1コンテンツと見えそうだが、実は違う。「もし壁」は、設定の普遍性(相性診断)とルールのわかりやすさ(壁ドン)を組み合わせることで異なる状況にも転用しやすく、1エンターテインメントとしての楽しさや面白さ、珍しさを豊かに包摂する。

 「恋愛や相性診断が普遍的でポピュラーな体験です。さらにみんなが知っているインパクト(壁ドン)が起点なので、説明いらずでも想像しやすい入口を活かし、汎用性や横展開もしやすい施策になることを意識して仕上げました」(阿部)

相手の気持ちとユーザーの気持ちがパーセンテージで表示される。お互いの気持ちのパーセンテージが80%を超えると、相手からのメッセージも印字されて出力される

迷わず体験できるナビゲーション

 すでに「もし壁」は、2019年2月には小平市花小金井で行われた街コン「だいらコン」への出展や、映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』のプロモーションなど、活用の場も広げている。その背景には企画性の高さとともに企画の強度を支える、参加から入室、診断結果がわかる最後までに至るナビゲーションの周到さも関係する。ユーザーもギャラリーも間延びしない時間で完結する体験となっているからだ。

 ユーザーは専用ボックス(筐体)への入室前に、両想いが成立した場合に届くメッセージを専用デバイスへとテキスト入力。それに続き、片手を手のひらセンサーに置いて、平常値の手のひらの脈拍・発汗・温度を測定する。

 フィッティングルームを改造して作られた専用ボックスに、人間二人が入るとその密接具合も想像できるだろう。相手越しの高さに設置された手のひら型のセンサーに手を置けば、その姿はまさに壁ドン。壁ドン状態で互いの手のひらの脈拍・発汗・温度を20秒間で測定。平常値との差分を基に相手へのドキドキ度を判定し、「想いが届いた」と判定されれば、紙出力された診断結果に相手からのメッセージが記載される。

 「ユーザーの体感と体験の回転率、センシングに必要な時間の3要素を意識して、1組あたりにかかる最適な体験時間を設計し、壁ドン中の時間は20秒としました。人がドキドキする環境的要素である“暗い”“近い”“狭い”を助長するため、壁ドン開始10秒後には目隠しのカーテンが下がるギミックも入れ、密室度を高めています」(阿部)

研究機関に裏づけも。ドキドキの可視化(診断)が肝

 そもそも至近距離でドキドキした場合、脈拍・発汗・温度の変化がイコールで相手への好意や愛情を示すと言えるのか? 科学的根拠の確認も怠っていない。

「複数の大学や研究機関にあたり、実際に教授や研究者にもお会いして、施策の趣旨や科学的な裏づけの確認もしてきました。好意だけでなく苦手な相手への嫌悪感でも脈拍などの上昇が見られるという指摘をいただいたので、好意を前提にした二人組が参加する“体験”だとわかるUXを研ぎ澄ませて、苦手同士の二人ならやらない体験だとわかる仕組み開発を心がけました」(松村)

 事前には、卓上で向かい合う二人が手のひら型センサーに手を置き、ドキドキが測定できるかという「もし壁」のプロトタイプ版を開発。横浜ガジェットまつり2018に出展して、これらの体験が楽しさにつながる検証も行い、想像以上の参加者の好意的な反応も確認した。

「ユーザーの調査データを蓄積しながら、体感できるドキドキと診断結果に大きな齟齬がないように、常に裏側で調整しています。閾値の設定次第で誰でも高い好意度を示しては診断の要素が削がれます。データの蓄積が確かな知見につながっています」(松村)

「もし壁」の前身となるプロトタイプを横浜ガジェットまつり2018に出展。当時は手のひら型測定用デバイスを並べた状態だったが、2人1組のペアが手のひらをデバイスに乗せながら見つめ合う行為そのものを楽しむユーザーが多く、「もし壁」への手応えを事前につかんでいた

筐体は組み立て式で汎用性を担保。過去のオウンドワークの知見も発揮

 他にも、形状と搬入出にも着目してほしい。筐体の元となるフィッティングルームは、遠目からでもわかる見た目や大きさを担保するほかに、分解可能という点が搬入出のハードルをぐっと下げる。屋内のイベント会場をはじめ搬入出経路が制限される場所でも対応しやすく、開催場所によって展示に苦慮した過去の筐体施策とは違う、明らかなアドバンテージを持つ点も汎用性の説得力を高めている。

 動き出している連携施策のほかにも、クリスマスやバレンタイン関連イベントでの利用を模索しやすく、診断結果の出力をクーポンやチケットに変えた応用策も可能。入室前のメッセージ入力を連絡先交換というフックに変えて、切実な恋愛イベント施策にもできるだろう。

 「実現性の可否は別として、恋愛系の聖地の象徴に置くといった地方創生アイデアなども浮かびやすいです。活用イメージが想像しやすいフレームワークですので、具体的な横展開がしやすいメリットも伝えたいです」(阿部)

 毎年、ピラミッドフィルム クアドラが地道に開発しているオウンドワークやプロトタイプで得た知見が、いよいよ実を結び出している。

 

実績

■第7回だいらコン
東京都小平市で開催された街コンイベントに出展し、主催者及び参加者から好評を博しました。(2019年2月16日開催)
■映画『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』
映画PRでコラボレーションイベントを実施し、2週間で400組以上が体験。朝の情報番組他、数多くのメディアで取り上げられました。(2019年3月14日~28日開催)

Interview / Text : Yoshihiro Endo

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