CLIENT WORK
鹿島建設 成瀬ダム KAJIMA DX LABO 鹿島建設 成瀬ダム KAJIMA DX LABO
鹿島建設株式会社
施設の目玉となる3つのARコンテンツを制作
徹底した作り込みで没入感を追求し、情報紹介に留まらない体験型のPR施設を実現
「土木の未来」を切り開く土木の最先端テクノロジーを広めるための施設として、成瀬ダム建設現場に併設されたのが『KAJIMA DX LABO』。館内の体験設計は全てアプリで完結。3つのAR体験を通して土木の未来とダム建設への理解を促進することにチャレンジした。
①ジオラマAR
直径2.8mに縮小した建設現場の地形をジオラマ化。タブレットをかざすことで完成形のダムがARで出現。最新技術と目指すビジョンを紹介。
②パネルAR
館内に展示されているパネルにARマーカーを仕込む。実寸大の重機や生息する動物たちが出現。そのスケールの大きさと自然への配慮の説明。
③フィールドミュージアムAR
巨大なダムの堤体。現場に実寸台で堤体を表示させることで、理解を促進し完成後の周辺地域の未来をスケール感を持って感じてもらうためのコンテンツ。
KAJIMA DX LABOは、単なる情報紹介で終わらない体験型のPR施設を実現。体験を通し、ダム建設と土木の未来の理解を促進することに成功した施策となっている。
STAFF
RESULT
- 多数メディア掲載 日本テレビ「所さんの目がテン!」
- テレビ朝日「スーパーJチャンネル」
- 秋田放送
- 秋田朝日放送
- AXIS WEB MAGAZINE
- 建設通信新聞 DIGITAL
- 秋田魁新報社 電子版
- 日刊建設工業新聞
OVERVIEW
3つのARコンテンツを気楽に楽しめることができる体験設計
ジオラマ、パネル、フィールドミュージアムという3つのARコンテンツを、一連の体験導線の中でどのように役割を与えて設計するかに時間を費やした。その中でもジオラマARはメインに位置づけられるコンテンツであるため、ここに集中し様々な情報を提供するとともに、圧倒的な作り込みを行うことを心がけた。反対に他の2つのARは気楽に、直感的に楽しめる位置づけとしたことで、館内を楽しく回っていただける設計になった。
手を伸ばすとスクリーンに入っていけるような気持ちよさの追求
本コンテンツは、土木や建設関係者へのアプローチだけではなく、周辺地域の住民のみなさまへの理解を深める役割も担っていた。そのため、ジオラマARでは最新のipad Proのスペックをフルに生かし切ることを念頭において、周辺の自然環境含めた建設現場再現の忠実な再現を心がけた。そうすることで、この場所を建設前から知る地域の住民の方々も愛着を抱いてもらえる描写密度を目指した。
パネルARやフィールドミュージアムARでは、巨大なものの表現に注力。建設現場で実際に稼働している重機を精密に再現し、館内で再現することでその巨大さを訴求することができた。
また、フィールドミュージアムARでは、建設現場にタブレットをかざすと、完成するまで目にすることができないダムの堤体が実寸台で再現される。実際にダムがどのように設置されるかを視覚的に理解しやすいため、プレゼンテーションツールとしても有効に機能するように心がけた。
鹿島建設の変⾰・デジタル化の旗印を目指して
「KAJIMA DX LABO」のネーミングに合わせて、鹿島建設の変⾰・デジタル化の旗印になるよう先進感を感じられるデザインを⽬指した。研究室・ラボ・施設を想起させる直⽅体のイラストと、ラウンドを基調とした書体で親しみやすさ・先進感を印象付けるロゴとした。日本語のタグラインにも英字と同様の書体を用いて連動感を高めるとともに、曲線や抜きのあしらいがデザインのポイントとなっている。
AR体験を主役とした、先進性を感じるモノトーンの世界観に
一般ユーザーをターゲットと想定し、「シンプルかつ直感的な操作」「操作エリア・体験エリアの差別化」を前提としたUI設計に。XDでワイヤーフレームを作成し、プロトタイプでの実機検証を経てアプリの体験設計を確定させた。体験済みコンテンツにはチェックを入れ、未体験コンテンツと現在地が常にわかるように配慮した。
イラストやアイモノトーンに鹿島建設の赤をアクセントカラーに取り入れ、“鹿島建設らしさ”を演出。アイコンにはラウンドの細い線画を採用し、ロゴとの親和性を持たせるとともにデザインの味となり、ユーザーにも体験をわかりやすく伝えている。
社内外スタッフの知見を集約・最大化し、より快適な体験を
ユーザーが、タブレット内の情報のみで操作や館内の状況がわかるよう、チュートリアルや体験の進捗が分かる館内マップを整備。CG制作は協力会社に発注し、ARの出現は社内及び外部協力のもと制作。綿密な連携を行いタブレット性能を最大限活用した演出を模索し、検証を重ねることで、ユーザーがストレスなく楽しめる体験を実現した。
真っ白なジオラマにマーカーレスでタブレットをかざし、最大体験人数30人を想定したARは弊社としては初の試みであったこともあり、完成に至る道のりは容易ではなかった。
公開当初、施設の想定体験人数30名でジオラマを囲んで体験すると、ARの出現制度が低下する問題が発生したが、各チームと連携し様々な検証を行い、「ジオラマと照明の関係」「ジオラマ上の特徴点の数」「タブレットのカメラ機能」に原因があることを突き止めた。これらの検証を踏まえて、ジオラマや周囲の床に特徴点を追加。照明は、体験者の影が干渉しないように、照明位置の変更と外光の遮光によって、一定の照明条件に変更した。以上の対応によって出現精度は向上・安定し、30名でジオラマを囲んだ状態でもAR体験を楽しめる状態を実現することができた。
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